前回『あなたの経験を収益化する!ユニーク・ジャンルの候補を挙げる』で、あなただけのユニーク・ジャンルの候補を挙げました。
例えばブログなどで、「ユニーク・ジャンル(の候補)」に関する知識や経験をなんとなく発信していくだけでも、あなたは専門家として認識され、あなたのブログは誰かにとって唯一のものになるかもしれません。
しかし、それはボランティアです。継続的な収益を生むビジネスにはなりません。
ビジネスとして成り立たせるためには、キャッシュポイント(収入源、収入が発生するポイント)を作らなければなりません。
ブログのキャッシュポイントと言うと、Google AdSenseなどの広告掲載を思い浮かべる人が多いですが、キャッシュポイントとしては弱いです。頑張って記事を書いているのに月間収益が3万円、……割に合いません。
だから、ブログではなく、マッチングサイトにするべきなのです。収益が1桁変わります。
ブログにしてもマッチングサイトにしても、「記事を書く」という行為に変わりはありません。だったら、収益が高い方がよいと思いませんか?
一方、すべてのユニーク・ジャンル(の候補)が、マッチングサイトに向いているかと言えばそうではありません。
最低限、4つのポイント(後述)を満たしている必要があります。
今日は、ユニーク・ジャンルの候補(マッチングビジネスのアイデア)を精査し、継続的な収益を生むものを絞り込んでいきます。
つまり、今日は準決勝です。決勝戦に進む最終候補を絞り込むのです。
ユニーク・ジャンルの候補(マッチングビジネスのアイデア)を4つのポイントで絞り込もう!
このページの目次
1.ユニーク・ジャンルを絞り込む(解説)
1-1.心構え
このユニーク・ジャンルの絞り込みこそ、マッチングビジネスを始めるにあたって最も脳に汗をかく工程です。脅かすわけではありませんが、まさに産みの苦しみを味わうことになるでしょう。
もちろん、一朝一夕には達成できません。1時間や2時間考えただけで、「いやぁ、思いつかないなぁ」と言っているようではどうにもなりません。
1日24時間、「4つのポイントを満たすユニーク・ジャンルはなにか?」、「なにを足したら(引いたら、掛けたら、組み替えたら)独自のジャンルになるか?」を自問しながら生活してください。特に、生活の中で「これって不便だよなぁ」や「このサービス、惜しいな。ここをこうしたらもっとよくなるのに」などと感じる機会があればチャンスです。その不便や不足にこそ需要があり、あなたの知識や経験をユニークジャンルに引き上げる最後のピースになるかもしれないからです。
脳に汗をかき、ストレスすら感じるかもしれませんが、ビジネスアイデアを考えることが大好きなあなたなら大丈夫です。
きっと唯一の独自ジャンルを見つけることができるでしょう。
1-2.4つのポイント
さて、浮かんだユニーク・ジャンルの候補(マッチングビジネスのアイデア)は、次の4つのポイントを基に絞り込んでいきます。
- 具体的なターゲットをイメージできるか?
- 悩みを解決するためにお金が必要か?(高額か?)
- その大ジャンルに専門家が多く、その小ジャンル(ユニーク・ジャンル)に専門家は少ないか?
- コンセプトは強いか?差別化できているか?
ターゲット
具体的なターゲットをイメージできるか?
簡単に言えば、あなたの記憶の中に、それに悩んでいる人がいるかどうか?です。
「○○さんは△△のことで困っていたな、ターゲットは○○さんみたいな人だ!」という具合です。
あなたは、最初のうちは、○○さんに向けて(○○さんの気持ちに思いをめぐらせて)記事を書くことになるからです。
「○○さん=あなた自身」でも構いません。
価格
悩みを解決するためにお金が必要か?(高額か?)
マッチングビジネスの定義は、「悩みを抱えている人に、その人が既に知っている解決方法よりも優れた方法(商品やサービス)を仲介し、適切な相手から対価を得る」です。
ですから、マッチングするものが、商品(物)であろうが、サービス(人)であろうが、とにかくお金が動かなければなりません。
また、商品(サービス)は高額であるほど好ましいです。
例えば、次の2つのビジネスであれば、どちらが好ましいでしょうか。
- 自転車をレンタルしてくれるサービスを仲介するビジネス(料金は3,000円)
- 自転車をカスタムメイドしてくれるサービスを仲介するビジネス(料金は60,000円)
後者の60,000円が動くビジネスの方が好ましく、あなたにも多くの仲介料が支払われます。
目安としては、1回の仲介で最低でも、どんなに少なくとも、50,000円以上のお金が動くものが好ましいです。200,000円以上が動くなら良ジャンル、500,000円以上が動くなら最良ジャンルと言えます。基本的にはですが。
競合
その大ジャンルに専門家が多く、その小ジャンル(ユニーク・ジャンル)に専門家は少ないか?
少しわかりにくいですね。例えば次のようなイメージです。
あなたは鞄屋になるわけではありません。革の鞄の専門店になるのです。
あなたはマッサージ屋になるわけではなりません。整骨院になるのです。
あなたは弁護士になるわけではありません。残業代請求専門の弁護士になるのです。
需要がある大ジャンルの中で、スナイパーのように照準を絞り、小ジャンル(いわばニッチなユニーク・ジャンル)で専門家になる、それがベストなのです。
そうすることで、あなたはより速く、より簡単に、そのジャンルの第一人者になることができるでしょう。
コンセプト
コンセプトは強いか?差別化できているか?
マッチングビジネスの定義は、「悩みを抱えている人に、その人が既に知っている解決方法よりも優れた方法(商品やサービス)を仲介し、適切な相手から対価を得る」でしたね。
この「その人が既に知っている解決方法よりも優れた」という部分が「コンセプト」です。
要は、あなたが仲介する商品(サービス)には、その人が既に知っている商品よりも優れている点はあるか?ということです。
なお、これを判断するには、競合の商品を熟知していなければなりません。前項の専門家の多寡(多い少ない)を調査する際に、競合がどのような商品を提供しているのか?内容は?価格は?納期は?特典は?競合のキャッシュポイントはどこでいくらくらいか?など様々な角度から丸裸にしておきましょう。
ジャンルや価格にもよりますが、可能であれば実際に申し込み、自ら体験してみることもお奨めします。
私も競合の商品を体験調査したことがありますが、見落としていたことや、より効率的な方法に気づかせてくれる場合があります。……遠慮なく、TTP(徹底的にパクる)しましょう。
2.ユニーク・ジャンルを絞り込む(実況)
では、私も、これから実際に運営するマッチングビジネスの「ユニーク・ジャンル」を絞り込んでいきます。
2-1.精査と絞り込み
ユニーク・ジャンルの候補を挙げた段階で、「こういう人と、こういう人をマッチングしたらどうかな?」という大雑把なビジネスアイデアは浮かんでいます。
ユニーク・ジャンルの候補を基にしたマッチングビジネス
- 犬のトリミング(散髪)をしたい人 × ペットショップ
- 犬のトリミングをしたい人 × 出張トリマー
- 飲食店の出店場所を探している人 × 出店(立地)コンサルタント
- 飲食店の出店場所を探している人 × 不動産の仲介会社
- なにかを請求したい人 × 士業
- マッチングビジネスを始めたい人 × マッチングビジネスコンサルタント
- ブログを運営している人 × ブログ運営に役立つなにか
- 起業したい人 × 法人化手続きを一括で請け負う士業
- 教育熱心な親 × 通信教育(教材)会社
- 教育熱心な親 × 習い事を提供している会社(勉強に限らない)
- 永久脱毛したい人 × エステ
- アトピー性皮膚炎を治したい人 × 病院
- アトピー性皮膚炎を治したい人 × 薬(サプリメント)
- 汗っかきを治したい人 × なにか
- うつ病の人 × カウンセラー
これらを4つのポイントを基に絞り込んでいきます。
具体的なターゲットをイメージできるか?
価格
悩みを解決するためにお金が必要か?(高額か?)
競合
その大ジャンルに専門家は多いか?その小ジャンル(ユニーク・ジャンル)に専門家はいないか?
コンセプト
コンセプトは強いか?差別化できているか?
1.犬のトリミング(散髪)をしたい人 × ペットショップ
2.犬のトリミングをしたい人 × 出張トリマー
ターゲット
○○さん
価格
低い(数千円~)
競合
ペットショップのマッチングサイト(紹介サイト)あり。紹介サイトを量産している会社が運営している。よほどのコンセプトがないと負ける。
出張トリマーのマッチングサイト(別の会社が運営)も存在したようだが、現在はアクセスできないことから、撤退した可能性が高い。撤退した原因はなにか?ビジネスとして成り立たなかったのか?
また、ペットシッターのマッチングサイトもあり、ペットジャンルにはまだまだ可能性を感じる。
コンセプト
価格が低いため、コンセプトの検討までは至らず脱落。
3.飲食店の出店場所を探している人 × 出店(立地)コンサルタント
4.飲食店の出店場所を探している人 × 不動産の仲介会社
ターゲット
○○さん
「出店立地のコンサルティングを受けても条件に合致する物件がなければ意味がない」と言っていた。
価格
高い(どこまでをサービスに含めるかによる)
競合
出店立地のコンサルティングに特化した会社も少しあるが、ほとんどが知っている人(狭い業界だったから)。
出店~運営までを含めたコンサルティング会社が多い。また、居抜き物件をマッチングする大手サイト(コンセプトは出店費用を抑えられること)も複数あり。
一方、専門性の高い記事を掲載しているサイトは少ないため、上位表示は狙える。
コンセプト
不動産の仲介も絡めて価格を高められるのであればアリ。しかし、居抜き物件ではない異なる切り口のコンセプトが必要……保留。
5.なにかを請求したい人 × 士業
「なにか」が思い浮かばず、つまり、ターゲットが不明瞭のため脱落。
6.マッチングビジネスを始めたい人 × マッチングビジネスコンサルタント
本サイト『HERO Biz』で行っている。
マッチングビジネス自体が超ニッチであり、マッチングではなく自ら提供した方が早いため、マッチングビジネスとしては脱落。
7.ブログを運営している人 × ブログ運営に役立つなにか
ターゲット
○○さん
価格
低い(数千円~)
競合
多種多様のサービスが提供されている。広告、アフィリエイト、記事作成代行、アクセス解析、売買……。よほどニッチなジャンルを発見できないとなにをやっても価格競争に巻き込まれる。
コンセプト
法人個人を問わずブログを運営している人は多く、拡張性は非常に高い。価格は低くともフロントエンド商品で集客できれば、バックエンド商品はくらでも用意できそう(売れそう)。ニッチなジャンルを発見できれば面白そうであるため保留。
※フロントエンド商品とは安価(無料)で新規顧客を獲得するためのもの、バックエンド商品は高価で利益を獲得するためのもの(健康食品で言えば、フロントエンドは無料お試し申し込み、バックエンドは定期購入申し込み)。
8.起業したい人 × 法人化手続きを一括で請け負う士業
ターゲット
○○さん
価格
普通(数万円~)
競合
競合だらけ。よほどのコンセプトがないと負ける。
コンセプト
コンセプトが思い浮かばず、また、士業のマッチングサイトを運営するには少なからずのテクニックが必要であるため(ストレスがかかるため)、今回は脱落。
士業のマッチングサイトを候補に挙げる人はとても多いです。しかし、実現は難しいと捉えてください。
なぜなら、弁護士は「弁護士ではない者」から仕事の紹介を受けることができないからです(弁護士法第27条、第72条)。また、社会保険労務士、行政書士、司法書士にも同様の規制があります。税理士や会計士にはまだ規制はありません(税理士紹介サイトが乱立しているのはこのためです)。
もちろん、これら規制に引っかからない運営手法もありますが、かなりトリッキーです。どうしても知りたい人は直接ご連絡ください。
9.教育熱心な親 × 通信教育(教材)会社
10.教育熱心な親 × 習い事を提供している会社(勉強に限らない)
11.永久脱毛したい人 × エステ
13.アトピー性皮膚炎を治したい人 × 薬(サプリメント)
ターゲット
○○さん
価格
低い(数千円~)
※アフィリエイトの場合
競合
競合というよりも、いわゆるアフィリエイト商材として広く扱われている。
コンセプト
アフィリエイト商材として扱われているジャンル(商品、サービス)は誰でも扱うことができる。また、ASPの規制などから独自のコンセプトを打ち出すこともできず、ユニーク・ジャンルにはならないため脱落。
詳しくは『マッチングビジネスの収益を6倍にする仲介業の思考』で解説していますが、ユニーク・ジャンルの発見には欠かせない思考ですので、是非目を通してください。
12.アトピー性皮膚炎を治したい人 × 病院
ターゲット
○○さん
価格
低い(数千円~)
競合
そもそも論だが、マッチングビジネスと病院は相性がよくない。なぜなら、医療法などによってその広告に厳しい制限が課されているから。弁護士などの士業においてもある程度の制限が課されているが、医業(歯科医業、病院、診療所含む)における制限は非常に厳しい(参考:厚生労働省 医療法における病院等の広告規制について)。よって、有料広告とも捉えられかねないマッチングサイトとの提携は難しいと感じる。
また、2017年12月にはGoogleが「医療や健康に関連する検索結果の改善について」と題し、「医療や健康に関連する記事」の評価方法をアップデートした。医療従事者などの専門家でない限り、その記事の上位表示は難しいと考えられるため、あえて飛び込むジャンルではない。
コンセプト
あえて飛び込むジャンルではないため、コンセプトの検討までは至らず脱落。
14.汗っかきを治したい人 × なにか
「なにか」が思い浮かばず、つまり、商品(サービス)が不明瞭のため脱落。
15.うつ病の人 × カウンセラー
ターゲット
○○さん
価格
低い(数千円~)
競合
かなり強い競合あり(1サイト)。オンラインカウンセリングなども取り入れていて「とにかく始めてみる」のスペックでは太刀打ちできないと感じる。また、同サイトを運営する会社の代表は産業カウンセラーでもあり、専門家(性)という観点からも私の知識や経験では負ける。
コンセプト
ジャンルをけん引する強力な競合がすでにあるため、コンセプトの検討までは至らず脱落。
2-2.熟成
現段階で保留になっている(勝ち残っている)マッチングビジネスのアイデアは3つです。
最終候補に残ったマッチングビジネス
- 3.飲食店の出店場所を探している人 × 出店(立地)コンサルタント
- 4.飲食店の出店場所を探している人 × 不動産の仲介会社
- 7.ブログを運営している人 × ブログ運営に役立つなにか
これを、1週間ほどかけて熟成させます。
先にお話したとおり、1日24時間、「4つのポイントを満たすユニーク・ジャンルはなに(どれ)か?」、「なにを足したら(引いたら、掛けたら、組み替えたら)独自のジャンルになるか?」などの自問を繰り返します。
また、競合があるのであれば、どのような商品(サービス)を提供しているのか?内容は?価格は?納期は?特典は?キャッシュポイントは?など様々な角度から徹底的に調査しましょう。
自問自答や競合調査を繰り返していると、ふとした瞬間に、なにかがひらめくこともあります。「あ!このサービスにこれを掛けあわせたら新しい独自のジャンルになるんじゃないか?!」、「ん?競合のサービスにこれを足したらよりパワフルになるんじゃないか!」のようにです。
反対に、「うーん、それほど魅力的なジャンルじゃないなぁ」と冷める(気づく)こともあります。冷めてしまったとしたらそれはあなたのユニーク・ジャンルではありません(着手する前に気がついてよかったと思ってください)。