マッチングサイトにはシステムを搭載しなければならない?

1度失敗してみないとわからないことはたくさんあります。
マッチングビジネスにも、勝手な思い込みからくる誤解がいくつかありますが、その最たるはこれでしょう。

マッチングサイトには、システムを搭載しなければならない?

システムというのは、インターネット上で直接マッチングするためのシステムです。
下図のように、「買い手(悩み)」と「売り手(悩みを解決する方法)」の両方に会員登録させ、会員専用ページで直接やり取りしてもらうなどのものですね。

システムのイメージ

マッチングサイトのシステム構築

結論から言ってしまえば、このようなシステムは不要です。

もし、あなたもマッチングサイトにシステムを搭載しようとお考えなら、その理由は何ですか?
そういうものだろうという思い込みや、その方が見栄えがよいからと格好をつけたいだけではありませんか?

今日は、「マッチングサイトのシステム不要論」についてお話します。
システムを搭載したマッチングサイトの作成を外注し、200万円を浪費した私が導き出した結論ですので、是非、参考にしてください。

それでは早速、始めましょう。

1.システムを搭載したがる人の誤解

1-1.よくあるクライアント様とのやり取り

ありがたいことに、「マッチングビジネスを始めたいからコンサルしてほしい」というご依頼をいただきます。また、Google検索で「マッチングビジネス」と検索すれば、1位と2位に当サイトの記事が表示されます。

読者の方々やGoogleから、専門家と認識され、信頼を獲得し、権威をまとうことができつつあると実感している今日この頃ですが、ひとつの懸念を抱いています。

下記はクライアント様とのやり取りの一例ですが、このようなやり取りが多いということです。

どのようなネタ(ユニーク・ジャンル)のマッチングビジネスをしたいとお考えですか?
まだ検討段階ですが、「ランサーズ」のようなサイトを作りたいと考えています。
(……ゴリゴリのシステムを搭載しているサイトだけど)
私はシステムを搭載するマッチングサイトはお奨めしていません。もし本当にシステムが必要であれば成功してから搭載してはいかがでしょうか。

※「ランサーズ(Lancers)」とは、主に「企業」と「スキルのある個人」をマッチングする仕事依頼サイトです。ここではシステムを搭載したマッチングサイトの例として挙げているのみで他意はありません。

1-2.システムを搭載したがる人の誤解

マッチングサイトにシステムを搭載したがる人には、いくつかの誤解があります。

システムを搭載したがる人の誤解

  • マッチングサイトにはシステムを搭載しなければならない
  • システムを搭載した方が、見栄えがよい(集客できる)
  • システムを搭載した方が、お客が便利
  • システムを搭載した方が、楽して稼げる

誤解とは言い切れないものもありますが、万が一、あなたにも同様の思い込みがあるなら、それは誤解であることに気づかなければなりません。

ましてや、システムを搭載したマッチングサイトの作成を外注すれば百万円単位の費用が掛かります。
……成功するかどうかもわからないビジネスに百万円単位の資金を投下することはやめてください。収益が安定し、なおシステムが必要であるなら、そのときに搭載しましょう。

次項から、この「システムを搭載したがる人の誤解」に基づいて、「マッチングサイトのシステム不要論」をお話していきます。

2.システムを搭載しなければならない?

2-1.システム搭載は定石じょうせきではない

例示した「ランサーズ(Lancers)」を含め、インターネット上で直接やり取りをさせ、成約に至ったら対価(成功報酬)を請求するというマッチングサイトは多々あります。

しかし、その反対もあります。
最初からゴリゴリのシステムを搭載して、鳴かず飛ばずで、費用を回収できずに消えていくマッチングサイトです。

あなたが競合分析などで目にするマッチングサイトは少なからず成功しているものです。それが、収益面なのか集客面なのかはわかりませんが、とにかくGoogle検索で上位表示される程度の成功はしています。
ですが、それと同じくらい、あるいは、それよりも多くのマッチングサイトが、誰にも見つけてもらえず、ひっそりと消えていることはご存知でしょうか。

私が運営していた「緑化したい人 × 緑化業者(造園業者)」のマッチングサイトもそのひとつです。
システム(インターネット上で造園業者からの一括見積もりを受け取れるなど)を搭載すべく、その作成を200万円で外注し、新聞に広告を掲載し、雑誌に取り上げられもしましたが……、結果、収支が合わず、ひっそりと撤退しました。

参考ページ

私が200万円を浪費した失敗談は下記ページでお話しています。
マッチングビジネスとは?私が稼げるようになるまでの経緯と失敗例

ですから、システムの搭載は成功するための定石(物事を処理する時の最善とされる決まった方法)ではないのです。
「よく目にするから」という思い込みだけで、「マッチングサイトにはシステムを搭載しなければならない」という誤解をしてはいけません。

2-2.システムを搭載せずに成功している事例

ひとつの成功事例をお話します。
下記は、私がコンサルティングをさせていただいているクライアント様のマッチングサイトです。
※許可を得て掲載しています。

ご覧いただけばわかる通り、システムなど搭載していません。
システムを搭載していないどころか、わずかに20記事しかなく、ブログとしても未熟と感じる人もいるかもしれません。

ですが、週に1~3件ほどのお問い合わせを獲得できています。

……わずかに20記事しかないブログが、週に1~3件のお問い合わせを獲得している、ブログの運営経験がある人には、この異常さを理解してもらえるはずです。
もちろん、今後も記事数を増やしていきますので、比例して問い合わせ数も増え、安定した運営(収益)が見込めます。

では、なぜ、システムを搭載していない、記事数20のブログ(マッチングサイト)が、週に1~3件もの問い合わせを獲得できているのか?、もう少し掘り下げていきましょう。

3.システムを搭載した方が、見栄えがよい?集客できる?

……見栄えがよいと誰が喜ぶのですか?

……あなたが喜ぶだけです。
あなたが、格好をつけて、それっぽいマッチングサイトを作成したいと思っているだけです。お客である買い手も売り手も、システムを搭載していようが、いなかろうが、そんなことは気にしていません。

少し厳しい言い方かもしれませんが、200万円を浪費した頃の私がまさに格好つけの絶頂でしたので、同じ失敗を繰り返してほしくないのです。

そもそも、見栄えがよいだけのマッチングサイトを作成しても、集客も成約もできません。

集客(Google検索結果での上位表示)や、成約に必要なものは、「網羅性」「専門性」「信頼性」「権威性」です。
あなたが提供する商品が「サイト作成」であり、洗練されたデザインを売りにしているのでもないなら、見栄えなど何の役にも立ちません。
※「莫大な広告費」を投下できるなら、これら3要素の必要性は低くなりますが、それはあなたも本望ではないはずです。

参考ページ

集客の基本となる「網羅性」については下記ページが参考になります。
ブログ記事の最適な文字数を検索する暇があるなら網羅性を高めよう

なお、見栄えが悪いよりは、良い方がよいことは当然です。
ですが、それはシステムの有無を指すものではありません。サイトの配色やコンテンツの配置、字体やサイズ、画像や写真、導線……、そのようなものを指します。

また、ジャンルによっては、買い手の一覧を写真などで掲載した方がよい場合や、それらを検索できる仕様にした方がよい場合もあるでしょう。
それらを止めるものではなく、インターネット上でマッチングするためのシステムは見栄えには貢献しないということをお伝えしたいのです。

見せかけだけの張りぼてサイトでは集客も成約もできませんから、「システムを搭載した方が、見栄えがよい?集客できる?」という誤解をしてはいけません。

4.システムを搭載した方が、お客が便利?

これはジャンルや提供するサービスにもよりますが、あなたや私が作成するユニーク・ジャンル(自分だけの専門ジャンル)のマッチングサイトにおいては、システムを搭載した方がお客が便利というのも誤解です。

下図は「いじめドクター」の紹介業務フローの一部ですが、「いじめドクター」が仲介者として、相談者様と認定パートナー(業者)様の間に介在し、常に両者の窓口になっています。
※初回面談後は買い手と売り手の直接やり取りに移行します。

マッチングサイトのシステム構築

相談者(買い手)からすると、窓口は「いじめドクター」のみです。
業者(売り手)と直接やり取りする必要がありませんから、何度も同じことを説明したり、しつこい営業に悩まされることもありません。

システムを搭載しない場合

マッチングサイトのシステム構築

一方、システムを搭載し直接やり取りをしてもらう場合は、相談者の窓口は各業者になります。

システムを搭載する場合

マッチングサイトのシステム構築

……これって、各業者のサイトから直接問い合わせる場合と何が違うのでしょうか?あなたのマッチングサイトを利用するメリットがあるのでしょうか。
何人(社)とやり取りしなければならず、相談者にはストレスがたまります。

システムを搭載すれば便利になるかのような思い込みをしてしまうかもしれませんが、実際はそうではないのです。あなたが介在し、相談者はもちろん、業者に対しても、面倒な業務を引き受けてあげるからこそ需要が生じるのです。
お客目線でのフローを熟考せずに、「システムを搭載した方が、お客が便利」という誤解をしてはいけません。

5.システムを搭載した方が、楽して稼げる?

5-1.直接やり取りをさせると、あなたは専門家になれない

確かに、システムを搭載した方があなたの業務が減り、楽になります(集客できるかどうかは別の話です)。
しかし、仮に業務が減るとしても、仮に激減するとしても、直接やり取りをさせてはいけません

なぜか?

それはあなたの目指すゴールは「専門家になって競合のないビジネスを手に入れる」ことだからです。
言い換えると、システムを搭載し直接やり取りをさせると、あなたは専門家になることができないからです。

どのようなビジネスであっても、成長期、成熟期を経て、いずれ衰退期を迎えます。一時は楽をして稼げたとしても、衰退期を迎える2~5年後にあなたが専門家になっていなければ、その先はありません。
専門家というポジションを確立することで初めて、自由にビジネスを展開できるようになります。セミナーに集客するもよし、コンサルを受注するもよし、本を出版するもよし、ビジネス自体を売却してもよし、です。

マッチングビジネスは、それだけでも大きな収入を得ることはできる可能性を秘めています。
しかし、長期的なビジョンからすると、マッチングビジネス(サイト)は、あなたが専門家になるためのツールに過ぎないということを忘れないでください。

5-2.なぜ専門家になれないのか?

当サイトでも何度かお話していますが、あなたが行うのは「仲介業」です。
なぜなら、仲介業ならではの産物がいくつかあり、その中でも特に「売り手のノウハウ」と「売り手の信頼」が専門家になれるかどうかの明暗をわけるからです。

もう1度、あなたが窓口になる場合と、システムを搭載する場合を見比べてみましょう。

まずは、あながた窓口になる場合です。
あなたが仲介者となり、あなたを介さなければ交渉できません。

あなたが窓口になる場合

マッチングサイトのシステム構築

次に、システムを搭載する場合です。
あなたは蚊帳の外に置かれ、あなたは交渉に関与することができません。

システムを搭載する場合

マッチングサイトのシステム構築

交渉に関与できない(しない)と「売り手のノウハウ」と「売り手の信頼」は獲得できません。

売り手のノウハウとは?

専門家になるあなたは、売り手が悩みを解決する手順や工程など、つまり、ノウハウも獲得しておかなければなりません。
買い手に手順などを質問されて答えられない人が専門家と認識されるでしょうか?専門用語を半分も理解できずに専門家と認識されるでしょうか?

理解しておかなければならない売り手のノウハウ(一例)

  • 商品(サービス)購入後の流れ
  • 良い客と悪い客(受けたい注文と受けたくない注文)の判断基準
  • 従来の集客方法(集客できなかった理由)
  • 他に販売している商品
  • 業界の慣習(何をしたら叩かれるか?)
  • 必要な資格などの法律(何をしたら違法か?) などなど

そのジャンルの経験や知識をすでにお持ちであれば、新たに獲得しなければならないノウハウは少ないかもしれませんが、どんなジャンルの専門家も常に最新の情報を仕入れ、古い知識におごることはありません。

ノウハウの獲得なんて難しそうと感じるかもしれませんが、あなたが仲介者として仲介業をしていれば、自然と、または、嫌でも身に付くものです。

よく考えてみてください。他社(競合他社)のノウハウが勝手に蓄積されていくビジネスなどそう多くあるものではありません。
システムを搭載するということは、そのチャンスを自ら手放してしまうということです。

売り手の信頼とは?

専門家になるあなたは、売り手からも専門家と認識されなければなりません。
どのような点で専門家と認識されるかと言うと、次の2点です。

  • そのジャンルの知識に長けた専門家
    前記のとおり、あなたは売り手のノウハウを獲得しているからです。
    本来であれば、他社のノウハウを知ることは非常に困難ですから、それを掌握しているあなたは正真正銘の専門家です。
  • そのジャンルの集客の専門家
    あなたは実際に集客し、業者に紹介(仲介)しているからです。
    多くの業者が集客に悩んでいるのですから、いとも簡単にお客を集めてくるあなたは正真正銘の専門家です。

そして、これらは、業者との日々のやり取りの中で育まれていくものです。
「○○さんなら(他社のノウハウを知っているから)この問題の解決方法を知っているはず」、「○○さんなら(簡単に集客しているから)自社サイトの改善方法を知っているはず」、「○○さんなら……」と思わせることができれば、こっちのものです。

これは、あなたが専門家になり、信頼を獲得し、「権威(優れた者として、他人を威圧して服従させる価値や力)」を纏っている状態です。
権威を纏っているあなたは、他者をコントロールし、ビジネスを思い通りに進めることができます。

なお、思い通りに……とは、他者を自分勝手に利用するという意味ではありません。
マッチングビジネスで言えば、相談者、業者、自分、三者にメリットのある適切な運営をすることができるという意味です。
その先のビジネスであれば、セミナー、コンサルなどの集客に困らないという意味です。

しかし、システムを搭載し、直接やり取りをしてもらっていては、それを育むこともできません。
権威を纏うチャンスを自ら手放してしまうということです。

参考ページ

あなたに仲介業を強く奨める理由は他にもあります。詳しくは下記の記事で解説していますのでご一読ください。
マッチングビジネスの収益を6倍にする仲介業の思考

6.最後に

今日は、「マッチングサイトのシステム不要論」についてお話しました。

「マッチングサイト=システム搭載=楽して稼げる」という方程式があると思い込んでいた人がいるとしたら、期待を裏切る結果になってしまったかもしれません。

しかし、間違ったゴールを目指してはいけません。正しいゴールは「専門家になって競合のないビジネスを手に入れる」ことです。
マッチングビジネス(サイト)は、あなたが専門家になるためのツールに過ぎません。

例示した「いじめドクター」では、相談者様から「こんな活動をしている人がいて助かりました」や「相談先がなくて困っていました」というような感謝のお言葉もいただいています。
あなたが構築するマッチングビジネスは、お客様(買い手、売り手の両方)から感謝されるものでなければなりません。
人と人の間で育まれる感謝の先に、専門家というポジションが待っています。

勝手な思い込みから、無駄な費用をかけてシステムを搭載して、自らを蚊帳の外に置いて、専門家になるチャンスを手放さないでください。

マッチングサイトにシステムは不要だなと思い直してもらえたなら、次回のシェアも楽しみにしていてください。