前回『お客目線で最終審査!あなただけのユニーク・ジャンルを決定する』で、ユニーク・ジャンルが決定しました。
私の実況では、「○○を継続したい人 × ○○によって定められた○○を満たす仕組み作り」でしたね。
……伏字にすると、なんだか小難しいジャンルのように見えるかもしれませんが、マッチング商品(サービス)自体はシンプルなものです。※実況編では公開しています。
さて、いよいよマッチングサイト作りを始めるわけですが、その前に、マッチングビジネスの骨子(全体を構成するうえでの重要な部分)を組み立てておきましょう。
組み立てなければならない骨子は、次の5つです。
- マッチング対象:誰と誰をマッチングするか?
- キャッシュポイント:収入が発生するポイントはどこか?
- 商品価格と仲介料:商品価格と仲介料はいくらか?
- マッチング方法:仲介する提携業者をどう選ぶか?
- ベンチマーク:ベンチマークするサイトはどれか?
「え?いまからそれを組み立てるの?」と感じるかもしれません。確かに、ユニーク・ジャンルを決定する過程にて検討してきたものがほとんどです。
でも、あなたはどうですか?これら骨子が組み立てられていますか?
……多くの人が、なんとなくイメージしてきただけで、明確に組み立ててはいないはずです。
「誰と誰をマッチングするか?」が明確になっていなければ、誰を集客するために、誰に向けた記事を書けばよいのかすらわかりません。
「収入が発生するポイントはどこか?」や「商品価格と仲介料はいくらか?」などが明確になっていなければ、お客の注文を受けることも、提携業者と提携することもできません。
マッチングビジネスを始める前に(マッチングサイトを作り始める前に)5つの骨子を組み立てよう!骨子が明確になれば、あとはやるだけです!
このページの目次
1.マッチングビジネスの骨子を組み立てる(解説)
冒頭からの繰り返しですが、最低限、次の5つは組み立てておきましょう。
- マッチング対象:誰と誰をマッチングするか?
- キャッシュポイント:収入が発生するポイントはどこか?
- 商品価格と仲介料:商品価格と仲介料はいくらか?
- マッチング方法:仲介する提携業者をどう選ぶか?
- ベンチマーク:ベンチマークするサイトはどれか?
1-1.マッチング対象
誰と誰をマッチングするか?ということですね。
『お客目線で最終審査!あなただけのユニーク・ジャンルを決定する』で示した「防音性能の高い家を建てたい人 × 建築業者」の例で解説していきましょう。
マッチング対象は明確になっていない
上図を見たあなたは、「マッチング対象は明確に組み立てられてるじゃん?!」と思ったかもしれません。
しかし、それは誤解です。この状態で記事を書き始めると、誰を集客したいのか?誰に向けた記事を書けばよいのか?が曖昧であり、フラフラ、フニャフニャした記事(サイト)になってしまいます。
では、マッチング対象を組み立てるにするにはどうしたらよいか?
「ペルソナ」を設定しましょう。
ペルソナシートの作成
ペルソナとは、「ターゲットの詳細情報」です。
『継続収益を生むユニーク・ジャンルを絞り込む4つのポイント』でユニーク・ジャンルを絞り込んだ際に、「○○さんは△△のことで困っていたな、ターゲットは○○さんみたいな人だ!」と、あなたの記憶の中にいる誰かを思い浮かべましたね。
その○○さんに、(架空の)詳細情報を付加したものがペルソナです。
ターゲットの詳細情報?……よくわかりませんよね。
今回のターゲットは「防音性能の高い家を建てたい人」ですが、このターゲットのペルソナシートを作成してみましょう。
ペルソナシート
名前:防音 星雄(ぼうおん ほしお)
年齢:42歳
家族構成:妻、長男(13歳/中学一年生)、長女(9歳/小学三年生)の4人家族
住所:埼玉県さいたま市
職場:東京都品川区
趣味:ギター、ガーデニング、筋トレ、就寝前に漫画を少し読む
抱えている問題、悩み、ストレス:
- 現在はマンションに住んでいるため、好きなギターを思いっきり弾けない。
- 子供たちが部屋を走り回るため、階下に迷惑をかけていないか不安。
- 防音住宅(戸建て)を建てたいと考えているが、実は、防音性能の高い賃貸マンションでもよい気もしている。
ほしいもの、得たい結果:
- 防音性能の高い戸建てを建てるべきか?防音性能の高い賃貸マンションに引っ越すべきか?の答えを出したい!
- 戸建てを建てるなら、費用を抑えたいのはもちろんだが、信頼できる(評判のよい)建築業者に発注したい!
- 費用を抑えるためなら、戸建て全体の防音性能を上げるのではなく、防音室を作るという代替案も検討できる。
参考にしているサイト:
- 競合サイト1
- 競合サイト2
- 競合サイト3
※ターゲットが閲覧していそうな実際の競合サイトを挙げましょう。
こんな感じに仕上がりました。
これら詳細情報は、私が勝手に想像して付加したものです。なにかを調査したわけでも、なにかの平均を取ったわけでもありません。あえて言うなら、「私のお客になってほしい人」を想像して付加しました。
あなたも難しく考える必要はありません。勝手に(あなたのお客になってほしい人を)想像してペルソナシートを作成してみましょう。
※ふざけた設定はダメですよ。名前には個性を持たせてもよいですが……
なお、項目の増減も自由ですが、次の4つだけは必ず含めてください。
- 名前
- 抱えている問題、悩み、ストレス
- ほしいもの、得たい結果
- 参考にしているサイト
ペルソナシートを作成する目的
「勝手に作成したら、なんの参考にもならないんじゃないの?」と思いましたか?
そう思った人は、ペルソナシートの目的を誤解しています。
ペルソナシートを作成したからと言って、お客(見込み客)の考えや気持ちを理解できるわけではありません(想像しやすくはなりますが)。
真の目的は、あなたの記事やサイトが、フラフラ、フニャフニャしないためです。ペルソナシートはひとつの指針になってくれるのです。
あなたは、上記の「防音 星雄(ぼうおん ほしお)」さんを想って記事を書くのです。
あなたは、「防音 星雄」さんのためにサイトを作るのです。
さもなければ、あなたの記事やサイトは、誰の心にも響かないでしょう。だって、記事を書いているあなたに心がないのですから。
極論すれば、あるときは戸建てがよいと言い、あるときは賃貸マンションがよいと言う、そんな自己矛盾すら引き起こしかねません。サイトの指針に迷ったらペルソナシートを見返しましょう。
これはとても大切なことです。
すべての人に満足してもらえるサイト、記事、商品、サービスを創ることは誰にもできません。「防音 星雄」さんに満足してもらえるサイトを作ることが、結果的に「防音 星雄」さんに似た人も満足させるのです。
……「防音 星雄」さんって何回言うんだ、という感じですが(笑)
1-2.キャッシュポイント
収入が発生するポイントはどこか?ということですね。
大前提としてですが、提携業者とは成功報酬型で契約することになります。
つまり、キャッシュポイントは(最初は)ひとつしかありません。
「提携業者がお客の悩みを解決し、お客から提携業者に料金が支払われたら、その中から仲介料を支払ってもらう」です。
なお、当サイトの記事をお読みいただいている人にはご理解いただけると思いますが、あなたがユニーク・ジャンルにおける専門家の地位を確立すれば、キャッシュポイントを増やしていくことも可能です。
1-3.商品価格と仲介料
商品価格と仲介料はいくらか?ということですね。
商品価格
商品価格とは、お客から提携業者に支払われる額を指します。
ジャンルや競合状況によって異なるため一概には言えませんが、真に慎重に検討しなければならないのは額ではありません。
価格を一律にするか?提携業者ごとにするか?です。
例えば、私が運営していた『残業代バンク』では、商品価格は一律でした。「残業代を回収できた場合、回収額の20%(訴訟まで移行すれば30%)を申し受ける」といった具合です。
提携業者全員が、この商品価格でサービスを提供していました。
※自所サイト経由のお客に対する商品価格はまちまちです。あくまで、残業代バンク経由のお客に対する商品価格が一律ということです。
一方、今回の「防音性能の高い家を建てたい人 × 建築業者」では、商品価格を一律にすることは難しいでしょう。そもそも設計によって価格が変動しますし、加えて、会社によっても設定価格は大きく異なるからです。
このような場合には、提携業者ごとにするしかありません。
「一律」と「提携業者ごと」、どちらがよいという話ではありません。
どちらにする(なる)かによって、後述の「マッチング方法」が変わってくるため、あなたのマッチング商品がどちらに当たるかを明確にしておかなければならないということです(但し、一律にした方がマッチング作業は楽です)。
- 無形のサービス
原材料費などがかからず、利益(率)と経費はどの提携業者もほぼ同じであるため。 - お客の目的が「より安価に」ではない商品(サービス)
いわゆる相場より著しく高価でなければ、専門家であるあなた(が仲介する提携業者)から買ってもらえるため。 - 価格を細分化して積み上げ会計できる商品(サービス)
○○:20,000円、○○:10,000円、○○:50,000円などのように細分化できるなら、明朗会計に繋がるため。
仲介料
仲介料とは、提携業者からあなたに支払われる額を指します。
あくまで目安ですが……
マッチング商品が無形のサービスの場合、お客から提携業者に支払われる料金(額)の20%ほど、マッチング商品が無形ではない商品の場合、お客から提携業者に支払われる料金(額)の4~8%ほどに設定しておけば問題は起こりにくいです。
但し、業界(ジャンル)によってまちまちであり、この目安が適切ではない場合もあります。または、あなたの仲介料として低すぎる場合もあるでしょう。
あなたのユニーク・ジャンルが職歴から絞り込まれたものであれば、適切かどうかを判断することは難しくないはずです。しかし、そうでもなければ、判断は難しいかもしれません。
判断が難しい場合は、ズバリ、その業界に身を置く人に聞いてください。
最初の提携業者に相談するという方法もありますが(私はそうしました)、正直、当たり外れもあります。ですから、あなたと利害関係が発生しない(提携業者にはならないであろう)人に聞くことが最良です。
どうしても聞く相手が見つからない場合には、私宛にご相談ください。
1-4.マッチング方法
仲介する提携業者をどう選ぶか?、具体的には、お客から注文(依頼)があった場合に、提携業者の中の誰を仲介するか?ということですね。
これは前記の「商品価格」が一律か?提携業者ごとか?によります。
商品価格が一律の場合
お客と提携業者が直接会う必要がある商品(サービス)なら、「お客の家や近所まで伺える人」という前提条件はありますが、そうでもなければ一定のルールさえ設ければなんでも構いません。早い者勝ち制、持ち回り制……などです。
極論すれば、不公平感さえ生じなければ、あなたの匙加減で決定してもよいでしょう。
商品価格が提携業者ごとの場合
商品価格が一律ではないということは、「金額」という選定基準を考慮しなければなりません。
これと真面目に向き合うのであれば、提携業者の中から2~3者を選び、「商品(サービス)内容」と「見積もり」を作成してもらい、お客に提示するべきです。そのうえで、お客に最終選考をしてもらいます。
但し、「マッチングビジネス」と「いわゆる一括見積サイト」は似て非なるものです。
お客に見積もりを提示したり、お客からの相談(質疑応答や値交渉など)を受けたり、提携業者にお断りの連絡をしたり、すべてのやり取りはあなたが行います。いきなりお客と提携業者が直接連絡を取ることはありません。あなたは「紹介者」ではなく「仲介者」だからです。
なお、2~3者の見積もりを提示せず、最初から1者のみの見積もりを提示するという方法もあります。
あなたがお客との間に信頼関係を築けているなら、お客はあなたが提示した見積もり(提携業者)が最安値(最良)であると信じてくれるでしょう。もちろん、実際に最安値あるいは最安値同等でなければなりません。
1-5.ベンチマークサイト
ベンチマークするサイトはどれか?ということですね。
これは骨子の組み立てと言うより、マッチングサイトを作っていくうえでの参考資料集めと言えます。
ベンチマークとは?
- 測量における水準点。
- 投資商品の収益率や、特定の銘柄の騰落率を比較・評価するための指標。多く、平均株価や指標銘柄の騰落率を用いる。
- コンピューターのハードウエアおよびソフトウエアの動作速度を調整・評価するための基準。
- 他社の優れたところを学び、それを基準にして自らの業務や経営を改善する手法。
出典: コトバンク ベンチマークとは?
ベンチマークとは、簡単に言ってしまえばTTP(徹底的にパクる)手法です。
「こんなサイトにしたいなぁ」、「このサイトのここは便利だなぁ」、「このサイトの色使いは心地いいなぁ」などのウェブサイトをブックマークしておき、あなたがサイトを作る際に適宜参考にする手法です。
ベンチマークするサイトは、デザインはもちろんですが、特にサイト構成に注意して選んでください。
マッチングサイトには基本的な構成がありますが、UX(User Experience)を高めるためのトレンドや技術は日々変化(進化)しています。最新のトレンドを知る努力を怠ってはなりません。
User Experienceの略で、直訳すると「ユーザーの体験」ですね。あなたのマッチングサイトを閲覧した人(ユーザー)がどのような体験をし、どのような印象を受けるか?ということです。
デザインはどうか?居心地はよいか?記事(フォント)は読みやすいか?サイト内の導線はスムーズか?などのハード面から、商品の質はどうか?対応はどうか?などのソフト面までのすべてを含めて評価されるものです。
2.マッチングビジネスの骨子を組み立てる(実況)
では、私も、これから実際に運営するマッチングビジネスの骨子を組み立てていきます。
私のユニーク・ジャンル、「Airbnb事業を継続したい人 × 条例によって定められた運営条件を満たす仕組み作り」の骨子を組み立てていきます。
※「ベンチマーク:ベンチマークするサイトはどれか?」は参考資料集めであるため割愛させていただきます。
具体的な実況に入る前に、「それってなんのマッチング?」とピンと来ていない人も多いと思いますので、背景を簡単に説明(復習)します。
Airbnbとは、Airbnb, Inc.(アメリカ法人)が運営する「宿泊したい人 × 宿泊場所(部屋)を提供したい人」のマッチングサイトです。
いわゆる民泊と呼称されるもので、日本では「マンションの一室を賃貸→Airbnbに登録→訪日外国人に宿泊してもらう→家賃を上回る宿泊料を得る」という不動産投資のひとつとして盛り上がりを見せています。
しかし、旅館として認可されていない物件に業として宿泊させることが問題視され(旅館業法などに違反)、また、2日や3日ごとに異なる外国人が宿泊し、ときにはどんちゃん騒ぎすることから近隣住民への迷惑が問題視され、各自治体の条例などによって規制が設けられることになりました。
条例が施行されれば、規制(条件)を満たさない人(物件)は運営ができなくなります。つまり、Airbnb事業から撤退しなければならなくなってしまいます。
よって、「運営条件を満たす仕組み作り」へのニーズが高まっていると考え、今回のユニーク・ジャンルとなりました。
なお、このユニーク・ジャンルの、単発の商品価格(仲介料)は高額ではありません。しかし、継続性の高いものです。
1度注文を獲得すれば、そのお客がAirbnb事業を継続する限り、この仕組みを利用し続ける(利用し続けなければならない)ことになり、月額課金という長い目で見れば商品価格(仲介料)は高額になり……高額と言うより、まあ、それなりになると言えます。
また、「Airbnb事業を継続したい人」は複数の物件を展開している可能性が高く、1度の注文で複数の契約を取れるという狙いもあります。
2-1.マッチング対象:誰と誰をマッチングするか?
Airbnb事業を継続したい人
「Airbnb事業を継続したい人」のペルソナシートを作成します。
ペルソナシート
名前:江嵐 B作(えあらし びーさく)
年齢:45歳
家族構成:妻、長女(15歳/中学三年生)、長男(11歳/小学五年生)の4人家族
住所:東京都北区
職場:東京都新宿区
趣味:仕事、投資、ゴルフ、昔は乗り鉄だった
抱えている問題、悩み、ストレス:
- 3年前からAirbnb事業を行っているが、法条例の改訂によって「撤退しなければならないかも……」と不安。
- 撤退しなくても済む方法(仕組み)はなんとなく知っているが、自分にはその仕組みを作れない。
- Airbnb用の物件が東京と京都にあるが、京都の物件の管理(清掃など)にも悩んでいる。いまは外注している。
ほしいもの、得たい結果:
- Airbnb事業を、条例違反などせずに継続する方法があるかどうか?真実を知りたい!
- 継続できるのであれば、その仕組みを作りたい(手間がかかるのは嫌だ)!
- これを機に、管理(清掃)業者などをまとめて、窓口をひとつにしたい!
参考にしているサイト:
※割愛
私は、まずは、「江嵐 B作」さんのためにサイトを作り、「江嵐 B作」さんを想って記事を書いていきます。
条例によって定められた運営条件を満たす仕組み作り
曖昧な表現をしてきましたが、これは「住宅宿泊管理業者」を指します。
ざくっと説明します。
- 民泊に関する「住宅宿泊事業法(民泊新法)」が2018年6月15日から施行される。
- 「住宅宿泊事業者(Airbnb事業を行う人:江嵐 B作さん)」は都道府県知事に届け出なければならない。
- 「家主不在型」の民泊を提供する(住宅宿泊事業者が駐在していない物件に宿泊させる)場合、「住宅宿泊管理業者」にその管理を委託しなければならない。
ゆえに、「Airbnb事業を継続したい人」に「住宅宿泊管理業者」を仲介します。
2-2.キャッシュポイント:収入が発生するポイントはどこか?
キャッシュポイントは、「提携業者がお客の悩みを解決し、お客から提携業者に料金が支払われたら、その中から仲介料を支払ってもらう」ですから、私の場合は次のとおりです。
「お客(住宅宿泊業者)から住宅宿泊管理業者に委託料が支払われたら、その中から仲介料を支払ってもらう」
2-3.商品価格と仲介料:商品価格と仲介料はいくらか?
商品価格
お客(住宅宿泊業者)から住宅宿泊管理業者に支払われる委託料の「一律か?提携業者ごとか?」と「額」ですね。
まず、「一律か?提携業者ごとか?」は、一律とします。
無形のサービスですし、例えば清掃などのオプションを付加するにしても細分化した積み上げ会計できるためです。
次に、「額」は、月額5,000円とします。
これは少し悩みましたが、次の流れで決定しました。
- よく似たジャンルである「賃貸管理の」相場を調べた。
- 住宅宿泊管理業者になろうとしている人に聞いた。
- 住宅宿泊業者(Airbnb事業をしている人)に聞いた。
「賃貸管理」とは、賃貸物件のオーナーが、賃貸管理会社に物件の管理を委託し、賃貸管理会社が物件に関する業務(家賃集金、契約更新、鍵管理、クレーム対応、トラブル対応など)を代行するものです。賃貸マンションなどに「賃貸管理:○○不動産」と書かれた看板が掲示されていることがありますよね。あれです。
賃貸管理に含まれる業務内容にもよりますが、委託料の相場(月額)は家賃の3~10%ほどでした。
但し、住宅宿泊管理業者は家賃集金をしません(家賃集金はAirbnbなどの住宅宿泊仲介業者が行う)。その分を差し引くとすれば、感覚的には、家賃の3~7%くらいでしょうか。感覚値です。
間をとって5%に設定するなら、家賃50,000円だと委託料は2,500円、家賃70,000円だと委託料は3,500円、家賃100,000円だと委託料は5,000円、となります。
次に、住宅宿泊管理業者になろうとしている人にも聞いてみたところ、ズバリ、月額5,000円で検討しているという回答でした。
最後に、住宅宿泊業者、つまり、実際にAirbnb事業をしている「江嵐 B作」さんのような人に聞いたところ(この際は事業を続けるために月額5,000円くらいなら支払う?という聞き方です)、「まあ許容範囲かな」という回答でした。
運がよかっただけかもしれませんが、賃貸管理相場から算定した額と、業界に身を置こうとしている人(置いている人)が想定する額が、ほぼ一致したと言えます。よって、月額5,000円としました。
仲介料
住宅宿泊管理業者から私に支払われる「額」ですね。
額(率)は、20%とします。
住宅宿泊管理業者になろうとしている人に、あわせてこう聞きました。
「私が、住宅宿泊管理業者を探している住宅宿泊業者(Airbnb事業をしている人)を何人も仲介できるとしたら、仲介料をもらうことは可能ですか?その場合、1件当たりいくらくらいなら支障はありませんか?」
「1,000円くらいじゃないかな」
……はい、1,000円に決定です。
※定額1,000円にしてしまうと、清掃などのオプションを導入した際に面倒なので20%としました。
「……なんか、淡々と簡単に決めていくんだね」と感じる人もいるかもしれません。
今回私が決定したユニーク・ジャンルにも、あなたが決定しているユニーク・ジャンルにも、大きな競合は存在しません。これがなにを意味するかわかりますでしょうか。
あなたは、ファウンダーであり、パイオニアであり、第一人者であり、先行者であり、けん引者であり、独占者であり、英雄であり、物販で言えばメーカーです。
メーカーは自社商品の価格を自由に決めることができます。これこそが、価格競争に巻き込まれない英雄型ビジネスの醍醐味でもあります。
2-4.マッチング方法:仲介する提携業者をどう選ぶか?
お客(住宅宿泊業者)と提携業者(住宅宿泊管理業者)が直接会う必要はありません。
但し、某市には「住宅宿泊管理業者は、管理物件におおむね10分以内に到着できる場所に駐在しなければならない」旨の特別な条例があり、今後、別の市などに波及する可能性もあります。
よって、「管理物件に近い人を優先してマッチングする(某市の場合は10分以内に到着できる場所に駐在している人限定)」というルールにてマッチングしていくことになります。
あとは、提携業者の増加に応じて検討していくことにします。
2-5.マッチングビジネスの骨子(まとめ)
これでマッチングビジネスの骨子が明確に組み立てられました。
- マッチング対象:住宅宿泊事業者 × 住宅宿泊管理業者
- 商品価格:マッチング商品である「住宅宿泊管理業者」は月額5,000円(税別)/1物件
- 仲介料:お客(住宅宿泊業者)から住宅宿泊管理業者に支払われた額の20%
- マッチング方法:管理物件に近い人を優先 ※某市の場合は10分以内に到着できる場所に駐在している人限定
3.編集後記
この編集後記を追記している現在は、記事を執筆した数か月後ですが、民泊管理バンクはマッチングサイトではなくなっています。
当初は「Airbnb事業を継続したい人 × 住宅宿泊管理業者」のマッチングサイトとして運営していました。
記事が少ない状態でもそれなりの問い合わせが入っていましたし、契約も獲得できていました。
しかし、気づいてしまったのです。
あれ?住宅宿泊管理業者ってほとんど実働してなくない?
この程度なら、自分が住宅宿泊管理業者になっちゃえばいいんじゃね?
民泊管理バンクのキャッシュポイントは「お客から提携業者(住宅宿泊管理業者)に委託料が支払われたら、その中から仲介料を支払ってもらう」でした。
つまり、自分が住宅宿泊管理業者になれば、仲介料と言わず、お客から支払われる委託料すべてを手にすることができるわけです。
もちろん、係る業務量とのバランスによりますが、仲介業者として提携業者(住宅宿泊管理業者)の業務を間近で見ている内に、ITを駆使した管理方法を構築すれば、実働する必要がほとんどないことに気づいてしまったというわけです。
マッチングビジネスのコンサルタントという立場からすると好ましくありませんが、ビジネスオーナーという立場からすると非常に好ましいです(苦笑)
よって、現在は、私のコンサルティングを受けていただいているクライアント様にお任せして、住宅宿泊管理業者として事業を行っています。
(現時点、月間利益6~7万円ほどですが、実働する必要がほとんどない継続収入源としては悪くないビジネスです)
このように、マッチングビジネスには、売り手(提携業者)のノウハウを盗むことができるという、仲介業だからこそのメリットもあります。
組み立てた骨子を基にマッチングビジネスを始めても、お客様の声や市場の変化によって修正が必要になることがほとんどです。まったくの見当違いであることもあるでしょう。
しかし、それでOKです。
とにかく始めてみて、間違いを修正しながら進めていく方法が成功への最短ルートだからです。組み立てる骨子は明確でなければなりませんが、完璧である必要はありません。