今日は「配客はいきゃく」についてお話します。

前回は、アクセス(PV)は「量」より「質」であるという解説をしました。

アクセスの数を増やしても、あなた(あなたのビジネス)に収益を最大化する準備ができていなければ、ざるで水をすくうがごとく、小さなグラスに大量の水を注ぐがごとく、ほとんどのアクセスを無駄にするだけであると。

前回の記事月間1,000PVでも月収50万円、アクセスの「質」を追求する

今日お話する「配客」はマーケティングのひとつであり、正にあなたのビジネス(ブログやマッチングサイト)の収益を最大化するための準備と言えるものです。

誰もが「集客」という言葉を見聞きしたことがあると思いますが、これは「客を集める」ことです。
これに対して「配客」とは、「客を配る(割り振る)」ことです。

補足配客はいきゃく?……初めて聞いたけど?」という人がほとんどであると思います。なぜなら、私が作った造語だからです。
※2017年10月16日現在、Google検索にヒットしないため、存在しなかった言葉です。

……客を割り振るってどういうこと?

似た言葉に「配車」がありますね。

タクシー業界で言えば、連絡してきたお客様のところまで、近くにいるタクシーを向かわせることなどです。
レンタカー業界で言えば、予約したお客様が滞在するホテルまで、空いているレンタカーを届けることなどです。

いずれにしても、「配車」とは、お客様の要望に応えるためにリソース(タクシーやレンタカー)を割り振ることを指します。どちらかと言えば、お客様が主体です。

一方で、「配客」とは、あなたのマッチングサイトの収益を最大化するためにリソース(お客様・アクセス)を割り振ることを指します。どちらかと言えば、あなたが主体です。

マーケティングの定義のひとつは、「あなたの商品(サービス)の価値を高め、その商品が欲しくてたまらないという欲求を作り出すこと」ですが、これを実現するためには「あなた主体の配客」が欠かせないのです。

今日 学ぶこと

ブログやマッチングサイトの収益を最大化したいなら、「集客」ではなく「配客」する仕組みを構築しましょう。

それでは早速、始めましょう。

1.「アクセスの質」の復習


今日の解説をスムーズに理解していただくために、まずは、前回解説した「アクセスの質」について復習しておきましょう。

参考ここで復習する「アクセスピラミッド」や「アクセスの質(段階)に応じた施策」は、『月間1,000PVでも月収50万円、アクセスの「質」を追求する』で解説した内容の要約です。

1-1.アクセスピラミッド

ブログやマッチングサイトの収益を最大化するために重要なことは、アクセスというリソースをどのように仕分けし、活用し、育成し、拡張し、あるいは、変換し、ビジネスの原動力にするか?でしたね。

そのため、まずは、あなたのマッチングサイトへのアクセスを「検索キーワード」によって仕分け(グループ分け)し、アクセスピラミッドを作りました。

アクセスピラミッド
※ピラミッド内の数字(アクセス数)は『月間1,000PVでも月収50万円、アクセスの「質」を追求する』にて例示した数字ですが、ここでは気にしなくて構いません。

1-2.アクセスの質(段階)に応じた施策

そして、アクセスの質(アクセスピラミッドの段階)ごとに、「活用」「育成」「拡張」「変換」という施策が必要であることを解説しました。

アクセスピラミッド

いますぐ客(活用して収益化)

「いますぐ客」は、あなた(あなたのビジネス)にとって最適なアクセスです。

あなたのマッチングサイトが、あなたの専門性、商品(サービス)の強力なコンセプト(閲覧者が既に知っている解決方法よりも優れた点)をスムーズに伝えているのであれば、通常時は何もしなくとも商品を購入してくれる可能性が高いグループと言えます。

そのうち客(育成して「いますぐ客」に押し上げる)

「そのうち客」は、いわゆる見込み客です。
育成することによって「いますぐ客」に押し上げることができる貴重なアクセスです。

正しい知識はもちろん、あなたの商品の強力なコンセプトを提供することにより、専門家であるあなたのファンになってくれる可能性が高いグループと言えます。

はてな客(拡張または変換して収益化)

「はてな客」は、アクセスの大部分を占めるグループであるにもかかわらず活用も育成もできない、あなたが持て余すアクセスです。

既存のキャッシュポイント(収入源・収益を発生させる商品)では収益化することができないことから、「拡張」または「変換」によって新たなキャッシュポイントを作る必要があるグループと言えます。

なお、「拡張」とは、広義での同ジャンル内で、ビジネス範囲を拡張することを指します。
例えば、「残業代請求をしたい人のマッチング」だけではなく、新たに「残業代請求をされた会社のサポート」なども始めるということです。

「変換」とは、「はてな客」の求めるものを提供することによって、「はてな客」を「そのうち客(いますぐ客)」に変換することを指します。
例えば、新たに「就業規則をフレックスタイム制に対応した形に変更するサービス」なども始めるということです。

2.配客の必要性


さて、今日の本題「配客」の解説に戻りましょう。

2-1.家電店にいるあなた

前記の通り、アクセスには質(段階)があり、段階に応じた施策が必要です。

しかし、「集客」だけに躍起になっている人は、アクセスの数しか見ていません。
「いますぐに商品を購入してくれる人」も、「(いまはまだ購入しないけど)時が来れば購入してくれる人」も同一視し、同じ「1」として扱ってしまっているのです。

まったくの間違いですよね。

ピンと来ない人もいると思うので、相応しい例を挙げてみましょう。

あなたは家電店にいます。

なぜなら、前の日の夜に、奥様から次のように言われてしまったからです。

「知ってる?洗濯機の寿命って8年らしいよ。この洗濯機は10年も使ってるからガタがきて当たり前だよね……」

だから、あなたは、今、家電店にいるのです。

  • あなたが奥様の意見に賛同しているなら、あなたは「いますぐ客」です。
  • あなたが奥様の意見に渋々賛同しているなら、あなたは「そのうち客」です。

※奥様の意見に賛同していないなら「はてな客」ですが、ここでは除外します。

「いますぐ客」のあなたが家電店(店員)に求めるのは、商品スペック、配送方法やアフターフォローに関する詳しい説明です。
なぜなら、今日にでも洗濯機を買いたいからです。

「そのうち客」のあなたが店員に求めるのは、洗濯機に関する一般的な説明や、おすすめ商品の紹介、他店との価格比較です。
もしかすると、店員と話すことすら避け、パンフレットを片っ端からもらってくるだけかもしれません。
なぜなら、今日は洗濯機に関する情報を仕入れに来ただけだからです。

また、反対に店員の立場からするとどうでしょうか。

お客様を「いますぐ客」と見定めたなら、特定の商品の素晴らしさをプレゼンし、「今日買ってくれるなら……」と限定価格を提示し、購入してもらうことをゴールに設定すべきです。

お客様を「そのうち客」と見定めたなら、いくつかの商品を紹介し、お客様からの質問に的確に回答し、さらに「へーそうなんだ!」と感心してもらえるような専門知識を披露し、信頼を獲得し、次回も来店してもらうことをゴールに設定すべきです。
「そのうち客」に対しても、購入をゴリ押ししては逆効果であることは誰もが想像できますよね。

いかがでしょうか。

この例に登場する店員はあなたなのです。
家電店の店員、ブログやマッチングサイトの運営者であるあなた、まったく同じです。

「いますぐ客」と「そのうち客」には、それぞれ異なった施策(アプローチ)が必要であることを感じていただけましたでしょうか。
これを同一視し、一緒くたに扱うということは、闇雲であり、ギャンブルのようなものです。

もっとスマートに、戦略的でなければなりません。

2-2.お客様(アクセス)の見定め

例示した家電店の店員は、お客様を「いますぐ客」か?「そのうち客」か?見定めなければなりませんでした。
カリスマ店員なら見定めも可能でしょうが、私や、おそらくあなたにもそのスキルはありません。

しかし、あなたや私にも見定められるものがありましたね

ブログやマッチングサイトへのお客様(アクセス)が、「いますぐ客」か?「そのうち客」か?あるいは「はてな客」か?です。

しかも、長年の経験によってのみ養われるスキルなどは不要です。
ツール(しかも無料)を利用するだけで簡単に見定めることができるのですから、それぞれに応じた施策をすることに何の抵抗がありますでしょうか。

参考アクセスを見定める方法は『月間1,000PVでも月収50万円、アクセスの「質」を追求する』で詳しく解説しています。

3.配客の第1ステップ


それでは、配客の解説に移りましょう。

3-1.キーワードと記事のペアを作る

アクセスピラミッドを作る際には、アクセスを「検索キーワード」によってグループ分けすることから始めましたね。

『残業代バンク』の例で言えば、次のようなグループ分けをしました。

収益を最大化するための配客

そして、これらの検索キーワードひとつひとつには、ペアになる記事があります

ペアの例1

「サービス残業とは」というキーワードでの検索からは、残業代バンクの『そもそもサービス残業ってなに?当たり前だと思ってない?』という記事へのアクセスが主です。

キーワード「サービス残業とは」と、記事『そもそもサービス残業ってなに?当たり前だと思ってない?』がペアということです。

ペアの例2

「労働時間」というキーワードでの検索からは、『労働時間(残業時間)の定義を知っておこう』という記事へのアクセスが主です。

キーワード「労働時間」と、記事『労働時間(残業時間)の定義を知っておこう』がペアということです。

つまり、次のような分析ができるのです

  • 記事『そもそもサービス残業ってなに?当たり前だと思ってない?』の閲覧者は、「サービス残業とは」で検索した人だから、「いますぐ客」
  • 記事『労働時間(残業時間)の定義を知っておこう』の閲覧者は、「労働時間」で検索した人だから、「そのうち客」
補足キーワードと記事のペアは必ずしも1対1ではありません。ひとつのキーワードから、2つの記事へのアクセスが発生していることもありますが、考え方は同じです。

3-2.ペアになる記事の調べ方

「ペアになる記事ってどうやって調べたらいいの?」と思われるでしょう。
とても簡単な方法ですので、サクッと解説します。

検索キーワードによるグループ分けの際に、Googleの「Search Console(サーチコンソール)」という機能を利用しましたが、これで調べることができます。

※サーチコンソールの利用には登録(無料)が必要です。

1.プロパティを選択

Googleの『Search Console(サーチコンソール)』を開き、調べたいプロパティ(ウェブサイト)をクリック。
サーチコンソールの使い方

2.検索アナリティクスを選択

画面左側のメニュー、「検索トラフィック」の中にある「検索アナリティクス」をクリック。
サーチコンソールの使い方

3.キーワードの選択

調べたいキーワードをクリック。
サーチコンソールの使い方

4.ページを表示

画面上部のメニュー、「ページ」にチェックを入れる。
サーチコンソールの使い方

5.ペアになる記事を確認

表示されたページ(URL)が、調べたキーワードからアクセスされるペア記事。
サーチコンソールの使い方

補足

  • 表示されるURLは、例えば「https://zangyou.org/roudouteigi」であれば、後方の「/roudouteigi」部分のみです。
  • 上図では、「/roudouteigi」の他に「/roudouteigi/#i」や「/roudouteigi/#i-2」なども表示されていますが、これは記事内にある見出しのURLです。ざっくりした表現ですが、Googleに高評価されると検索結果画面に見出しも表示されるようになり、これがクリックされた場合にカウントされているものです。

Google検索に見出しが表示される

3-3.記事のグループ分け

あなたのブログやマッチングサイトにある、「比較的にアクセスが多い記事」をグループ分けすることができましたね。

  • 『そもそもサービス残業ってなに?当たり前だと思ってない?』の閲覧者は「いますぐ客」
  • 『労働時間(残業時間)の定義を知っておこう』の閲覧者は「そのうち客」
  • 『○○』の閲覧者は「そのうち客」
  • 『○○』の閲覧者は「はてな客」
  • 『○○』の閲覧者は「いますぐ客」 など

これで、配客の仕組みの50%が構築されました。

記事をグループ分けしたということは、お客様をグループ分けし、割り振ったということです。
「いますぐ客が集る記事」、「そのうち客が集まる記事」、「はてな客が集まる記事」という具合です。

あなたは「どの記事」に「どのようなお客様」が集っているかを把握しているのですから、あとは(言葉は悪いかもしれませんが)一網打尽にするだけです。

4.配客の第2ステップ

4-1.「いますぐ客」には、特別な導線は不要

このページの冒頭で、次のように話しました。

  • 配客とはマーケティングである。
  • マーケティングの定義のひとつは、商品(サービス)の価値を高め、その商品が欲しくてたまらないという欲求を作り出すこと。

この観点から言えば、「いますぐ客(いますぐ客が集まる記事)」については、特別な導線は必要ありません。そのまま活用できます。

繰り返しですが、あなたのブログやマッチングサイトが、あなたの専門性、商品(サービス)の強力なコンセプトをスムーズに伝えているのであれば、商品購入ページまでの導線がきちんと整備されているのであれば、通常時は何もしなくとも商品を購入してくれるからです。

言い換えれば、「いますぐ客」が集まっているにもかかわらず商品が購入されないのであれば、それらを伝えることができていない、または、商品購入ページまでの導線が整備されていないなどの欠陥があると言えるでしょう。

補足ここで言う「導線」とは、商品購入ページなどに繋がる「リンク」や「バナー」と捉えてください。

4-2.「そのうち客」には、さらなる配客が必要

「そのうち客」は育成することによって「いますぐ客」に押し上げることができる貴重なアクセスです。

収益を最大化するための配客

そして、この育成こそ、あなたのファンになってもらい、商品(サービス)の価値を高め、その商品が欲しくてたまらないという欲求を作り出すというマーケティングに他なりません。

それぞれの詳しい解説は別の機会にしますが、育成のためのマーケティングとは次のようなものです。
これらを用いて、「そのうち客」を「いますぐ客」に押し上げるのです。

育成のための主なマーケティング

  1. 無料書籍(PDFデータなど)の配布
  2. メールマガジンの配信
  3. ウェビナー(ウェブセミナー)の配信
  4. 無料相談の実施 など

つまり、「そのうち客が集まる記事」に設置すべき導線は、商品の購入ページに繋がるものではありません。

あなたがどのマーケティングを用意しているか(用意するか)によりますが、育成コースというマーケティングに配客するための導線であるべきなのです。

とても重要なことですが、「集客」だけに躍起になっている人、「配客」という手法を知らない人は、すべての客を商品の購入ページに導こうとします。
洗濯機の情報を仕入れに来ただけの「そのうち客」にも、いますぐに洗濯機を買ってもらおうとゴリ押しの営業トークをぶつけます。

ここまでをお読みいただいたあなたなら、どちらがスマートで戦略的であるかの判断に迷わないでしょう。

4-3.「はてな客」にも、別の導線が必要

今日の本題ではないため補足的な解説となりますが、「はてな客が集まる記事」に設置すべき導線も、商品の購入ページに繋がるものではありません。

新たに作った(作る)キャッシュポイントに配客するための導線であるべきです。

注意「はてな客」のための、新たなキャッシュポイント作りの優先順位は極めて低いです。なぜなら、その新ビジネス(新商品)は、あなたのユニーク・ジャンルのものではない可能性が高いからです。英雄型ビジネスの成功要因はユニーク・ジャンルにあり、小成功すら達成しないうちに他ジャンルに移行すればそれはすなわち、群衆型ビジネスの典型に逆戻りだからです。
英雄型ビジネスや群衆型ビジネスについては『あなたの経験を収益化する「英雄型ビジネス」とは?』で詳しく解説しています。

5.最後に


今後は、マーケティングの解説が増えてきます。

マーケティングの定義のひとつは、「あなたの商品(サービス)の価値を高め、その商品が欲しくてたまらないという欲求を作り出すこと」でしたね。

ただ、「定義のひとつ」と表現しているように、マーケティングの定義は、時と場合、または、人によっても異なります。

ですが、究極的な定義も存在します。

岩崎夏海さんの「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」で、若い世代の方にも広く知られたであろうピーター・ドラッカーさんはこう定義しました。

マーケティングとは、セールスを不要にすることだ

この定義を知ったとき、私はしびれました!
なんと簡潔で、なんと当を得た定義なのだろうと。

そして、これを拝借した私なりの定義は次の通りです。

「マーケティングとは、あなたがセールスしなくとも、自動であなたの商品が欲しくてたまらないという欲求を作り出し、自動で商品を販売してくれる仕組みの集合体だ」

……「ドラッカーをパクって何かっこつけてんだ?」と怒られそうですが、仕組みの集合体であることに間違いはありません。

今日解説した「配客」も小さな仕組みではありますが、「自動であなたの商品が欲しくてたまらないという欲求を作り出す」ことの助けとなります。
このような小さな仕組みを随所に仕組んでいくことこそが、マーケティングなのです。

マーケティングに興味を持っていただけたなら、次回のシェアも楽しみにしていてください。