今日は、「アウトバウンドマーケティング」と「インバウンドマーケティング」の違いをお話します。

私がコンサルティングしている英雄型ビジネスでは、「インバウンドマーケティング」を活用しています。
しかし、これは「アウトバウンドよりもインバウンドの方が優れている」という意味ではありません
英雄型ビジネス(マッチングビジネス)とインバウンドマーケティングの相性がよいだけであって、アウトバウンドマーケティングと相性がよいビジネスもあります。

いわゆる「コンテンツマーケティング」が流行し、インバウンドビジネスだけがもてはやされていますが、両者の違いをきちんと理解しておきましょう。

間違ったマーケティング手法を取り入れても、効果が上がらず疲弊するだけです。もしかすると、あなたのビジネスにはアウトバウンドマーケティングの方が相応しいかもしれないのですから。

今日 学ぶこと

「アウトバウンドマーケティング」と「インバウンドマーケティング」の違いを理解し、自分のビジネスとの相性を判断しましょう。また、「マッチングビジネス」と「インバウンドマーケティング」の相性が抜群によい理由を再確認してください。

それでは早速、始めましょう。

1.アウトバウンドとインバウンドの違い


アウトバウンドマーケティングは「プッシュ型マーケティング」とも呼称されます。

outboundアウトバウンド:中から外へ
pushプッシュ:押す

一方の、インバウンドマーケティングは「プル型マーケティング」とも呼称されます。

inboundインバウンド:外から中へ
pullプル:引く、引き込む

これら和訳からも想像できる通り、2つのマーケティング手法は対極的です。

アウトバウンドマーケティングは、押して攻める!
例えば、電話営業、ダイレクトメール(郵便)、リスティング広告、展示会出展などです。

インバウンドマーケティングは、引き込んで(網を仕掛けて)待つ!
例えば、オウンドメディア運営、SNS活用、セミナー開催などです。

また、観点を変えると、主体の違いもあります。

アウトバウンドマーケティングの主体は、マーケッター(販売者、提供者など)です。
マーケッターから商品売り込むからです。

インバウンドマーケティングの主体は、カスタマー(購入者、見込み客など)です。
カスタマーが自ら商品を求める(探す)からです。

両者の違いをまとめると下表の通りです。

アウトバウンドマーケティング インバウンドマーケティング
別称 プッシュ型マーケティング プル型マーケティング
方向 中から外へ 外から中へ
特徴 押して攻める! 引き込んで(網を仕掛けて)待つ!
施策例 ・電話営業
・ダイレクトメール(郵便)
・リスティング広告
・展示会出展 など
・オウンドメディア運営
・SNS活用
・セミナー開催 など
主体 マーケッター(販売者、提供者 など) カスタマー(購入者、見込み客 など)

2.アウトバウンドとインバウンドの、メリットとデメリット

2-1.メリットとデメリットの一覧

「じゃあ、どっちのマーケティング手法を取り入れたらいいの?」

……とても難しい質問ですが、まずは両者のメリットとデメリットを一覧化してみましょう。

即効性 費用 費用対効果の予測 資産性・持続性
アウト
バウンド
電話営業 × ×
ダイレクトメール(郵便) × ×
リスティング広告 × ×
展示会出展 × × ×
イン
バウンド
オウンドメディア運営 × ×
SNS活用 × ※1 ×
セミナー開催 × × × ※2

※1 SNS活用において、拡散されれば(バズれば)即効性は高いと言えます。
※2 セミナー開催における参加者リストは資産性が高いと言えます。

2-2.メリットとデメリットのまとめ

もちろん、それぞれの施策によって一概には言えませんが、上表から大筋での傾向はおわかりいただけると思います。

  • アウトバウンドは、即効性が高いが、費用がかかり資産性(持続性)がない。
  • インバウンドは、即効性が低いが、費用がかからず資産性(持続性)がある。

何となくの向き不向きがわかってきたところで、両者のメリットとデメリットをまとめておきます。

アウトバウンド インバウンド
メリット ・短期で成果が上がる(即効性がある)
・費用対効果を予測(把握)しやすい
・費用がほとんどかからない
・中長期にわたって成果を持続する資産になる
デメリット ・費用がかかる
・費用をかけている間しか成果が上がらない
・成果が上がるまで数ヵ月かかる
・費用対効果や成果を予測しにくい

3.アウトバウンドとインバウンドの、向き不向き


向き不向きは、ビジネス(商品、資金、目的、ターゲットなど)によって変動するため、総合的な判断が求められます。
いくつかの判断基準を解説しますので参考にしてください。

補足アウトバウンドとインバウンド、どちらか一方を選択しなければならないということではありません。本記事は、向き不向きによる「使い分け」のポイントを解説しているものです。

3-1.商品による向き不向き

即決されるタイプの商品:アウトバウンドマーケティング
即決されないタイプの商品:インバウンドマーケティング

インバウンドマーケティングの主体はカスタマー(購入者、見込み客など)ですから、カスタマーが自ら有益な情報を探していることが前提となります。
つまり、有益な情報が探されることのない「即決される商品」においては、網を仕掛けても誰も引っかからないと言えます。

では、「即決される商品」とはどのようなものでしょうか。
あなたが即決する商品はどのようなものですか?

「安い商品」と考えたあなた、半分、正解です。

もう少し掘り下げましょう。
では、なぜ、安い商品は即決され、高い商品は即決されないのでしょうか。

……それは、悩みの深さに起因しています。

低額商品を購入するときには、近所のスーパーや100円均一ショップで済ませることもあるでしょう。
数百円の日用品などを購入するために、検索までして悩む人は多くありません。

しかし、数万円や数十万円の高額商品を購入するときはどうでしょう?
自分なりに譲れないポイントがある商品を購入するときはどうでしょう?
例えば、車、家電、新幹線や飛行機のチケット、宿泊プラン、弁護士、工事業者などです。

少しでも安い店はないか?同価格帯でよりよい商品はないか?、あれやこれやと有益な情報を探すことでしょう。それも数日間にわたってです。

だから、「数日~数ヵ月にわたって悩ませる、即決されない商品」にはインバウンドマーケティングが向いているのです。

3-2.資金や目的による向き不向き

資金がある:アウトバウンドマーケティング
資金がない:インバウンドマーケティング(例外あり)

基本的には、アウトバウンドマーケティングには費用が掛かります。
大規模なアウトバウンドマーケティングを仕掛けようとすれば多大な費用がかかりますから、この時点で零細企業や個人事業主には不向き(不可能)と言えるでしょう。

しかし、小規模なアウトバウンド、例えば月10,000~50,000円ほどのリスティング広告であれば、零細企業や個人事業主であっても試してみる価値は十分にあります。

但し、この場合の目的は「商品を売ること」ではありません。「商品(ブログなどのメディアを含む)を知ってもらうこと」です。
前述の通り、高額商品やこだわりたい商品を悩みもせずに(有益な情報を探しもせずに)即決で購入する人はいないため、「商品を売ること」を目的としても満足できる成果は得られないでしょう。目的を混同してはなりません。
※低額商品であれば「商品を売ること」は達成できるかもしれませんが、リスティング広告を利用すれば費用倒れするでしょう。

よって、あなたの商品が「即決されない商品」であるなら、商品を知ってもらいたい場合や、メディアに引き込めば商品購入を即決してもらえる(商品購入まで誘導する自信がある)場合を除き、インバウンドマーケティングが向いていると言えます。

なお、リスティング広告以外のアウトバウンド(電話営業、ダイレクトメール、展示会出展など)も考え方は同じですが、これらは小規模では済まない可能性が高いです(かかる費用が1桁違います)。
人海戦術をもってする電話営業であれば人件費がかさみますし、展示会出展には少なくとも300,000~500,000円/回の費用がかかります。
※「自分がかかりっきりで電話営業するから大丈夫!」という考え方は危険です。もっと効率的なマーケティングを検討すべきです。

3-3.ターゲットによる向き不向き

インバウンドマーケティングが機能しない:アウトバウンドマーケティング
インバウンドマーケティングが機能する:インバウンドマーケティング

皆さんもご存じの通り、アウトバウンドマーケティングの多くの施策は市場から歓迎されていません。
一部の迷惑な業者のせいで、「迷惑電話」「迷惑メール」と呼称され、「うっとうしい広告」と嫌がられ、「勧誘お断り」「チラシを入れないでください」と拒否されています。

なぜなら、アウトバウンドマーケティングは、主体であるマーケッターの都合による押し売りだからです。

一方のインバウンドマーケティングの施策は拒否されることはありません。

なぜなら、インバウンドマーケティングは、主体であるカスタマーの都合による情報収集(への網)だからです。

つまり、アウトバウンドマーケティングを取り入れることには、リスクが伴うということです。
ガツガツ、ゴリゴリのアウトバウンドをすれば、ブランドイメージを傷つけることにもなりかねません。

ですから、インバウンドマーケティングが機能しないターゲットを除いて、積極的に取り入れるべきものではありません。

極論すれば、インターネットを利用する環境が整っていない人に対しては、インバウンドマーケティングが機能しません。
日常的に検索をしない人に対しても、効果を期待できないでしょう。

インバウンドマーケティングが機能するターゲットには、インバウンドマーケティングが向いている(選択すべき)です。

4.最後に


これは完全な私見ですが、ビジネスは人から感謝されてこそではないでしょうか。

甘っちょろい意見だと馬鹿にされるでしょうが、人を騙したり陥れたりしてまで稼ぐことにどんな意義があるのでしょうか。
だから私は、お客様から感謝されてきた経験を基にマッチングビジネスをお奨めし、コンサルティングしているのです。

マッチングビジネスの定義は次の通りです。

悩みを抱えている人に、
その人が既に知っている解決方法よりも
優れた方法(商品やサービス)を仲介し、
適切な相手から対価を得る。

インバウンドマーケティングは、悩みが深ければ深いほど、有益な情報を探す期間が長いほど、その効果を発揮します。
だからこそ、「数ヵ月にわたって抱えている悩みを解決するマッチングビジネス」と「インバウンドマーケティング」との相性は抜群によいのです。

あなたが取り入れるべきマーケティング手法の参考になったのなら、次回のシェアも楽しみにしていてください。