緑化がもたらす効果

緑化がもたらす効果2-園芸療法

屋上緑化などを園芸療法(ホーティカルチュラル・セラピー)の場として利用するのであれば、専門の作業療法士の指導の下に緑化計画を立てる必要があるかもしれない。
しかし、療法というほど大袈裟ではなく、日々の癒しを求める空間として整備するのであれば、造園的・園芸的配慮で十分に役割を果たすことができる。

この記事では、それら、造園的・園芸的配慮のポイントを詳しく説明したい。

1.視覚的な効果

視覚的な効果を高めるためには、遠近療法にわたって様々な色彩、テクスチャーの植物が植栽されていることが望ましい。また、屋上という場所の利を活かして、地上の遠景を眺められる視点を多く確保するべきであろう。遠近療法を眺めることによって視覚疲労の回復速度は最大となる。

2.軽運動

軽運動を伴う活動に利用するためには、芝生広場などの、上を自由に歩け、周囲が植物に囲われている空間を作ることが望ましい。
屋上の芝生広場は犬や猫が入り込むこともなく、また、ガラスなどの危険物が混じる可能性も低いため、裸足での利用も十分に可能とすることができる。

3.植物発揮成分(香り成分)

植物発揮成分(香り成分)の効果を考えた場合、テルペン類の多い針葉樹類を交えることが望ましい。

4.園芸療法

園芸療法の考えを取り入れると、花壇、ハーブガーデン、屋上菜園などの実際に利用者が手をかけることのできる施設を導入することが望ましい。

5.自然生物とのふれあい

自然の生物とのふれあいの場となることを期待する場合には、鳥類や昆虫類(主にチョウ類やトンボ類)の採餌対象となる植物を植える必要がある。
鳥類などは直物に発生した昆虫類などを目当てにやって来ることが多いので、過剰な薬剤散布は避けるべきである。

6.参考文献

屋上・建物緑化事典

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